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第100号【07/01/09】
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《今週のCONTENTS》
1.『今年は何が売れるのか』
2.定年後も現役で!企業OBスペシャリスト人材の
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新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
本多泰輔です。
今号は、記念すべき100号!
実は、100号でやめようかと思っていたのですが、昨年末あまり
にも忙しくついついきっかけを外してしまいました。
ので、もうしばらくこのまま続けることにいたします。
御用とお急ぎでない方は、いましばらくお付き合いください。
出版研究所の発表によると、昨年は単行本売上が久しぶりに上昇に
転じたそうです。大手が文庫から少し高い新書にシフトしたせいで
しょうか。なにはともあれ、けっこうなことです。実に新年にふさ
わしい寿いだ話題。
今年は一体どんな本が売れるのでしょうか
売れない本は手に取るようにわかるのですが、売れる本はさっぱり
見当がつかない本多としては、如何ともしがたいとことであります。
ホワイトカラーエグゼンプションを含む「労働契約法」もどうなる
ことやらわかりませんが、ま、とりあえず話題にはなってきました
ね。まだ、法案の中味もよくわからないのに。
こうした動きは消費税のときと似ています。
私としましては、いまのところだれも期待していない様子の「07
年問題」が、何か一つ飛び出すような気がしているのですが。
■ベストセラーをつくる世代
以前にここで神吉晴夫氏が掲げた「ベストセラー作法10ヶ条」を
紹介しました。ここはもう一度先人の知恵にすがって、今年の出版
界の趨勢を見てみることにいたしましょう。
さて、「ベストセラー作法10ヶ条」の筆頭は「読者の核を20歳
前後に置く」でした。
私見ですが、「読者の核」とはマジョリティという意味ではありま
せん。稀代のスーパーベストセラープロデューサーが、20歳前後
が一番本を読むから、ここにターゲットを合わせよ、などと陳腐な
洞察をするわけがありません。
そういう発想は3流マーケッターであって、達人の考えるところで
はない。
私も最近まで3流マーケッター並みの捉え方をしていましたが、新
年とともに過ちを悟りました。こうして毎年新しい発見を繰り返す
のは、人生の豊穣とさえ言えましょう。過ちが非常に多いせいでも
ありますが。
したがって今回の私見もまた過ちである可能性は否定し切れないと
いう前提の下、続けて下記能書きをお読みくださいませ。
以前にもベストセラーは、浮動票、つまり「山を動かす」ことがで
きなければ誕生することはない、ということを書きました。
「特別に関心ないけど、みんな読んでるみたいだから」「一応読ん
どこか」「他に読みたいものもないし、これでも読むか」などとい
う、極めて主体性のない理由の読者を獲得せずんばベストセラーに
あらず、なのであります。
というわけで、この「山を動かす」核となるのが、20歳前後とい
うことなんですね(多分)。
ただし、テーマ自体が20歳前後の人のための本である必要はない。
「楽しい成人式の迎え方」がベストセラーになるわけではありませ
ん。しかし、20歳前後に支持されない本はベストセラーにはなら
ない。
うーむ、つかんだと思ったらするりと滑りぬけてしまう鰻のような
話ですが、奥義というのはなかなかつかまえきれないものなのです
よ(多分)。
■最近の趨勢
以前、ビジネス書読者の核年齢は昔も今も50歳前後と書きました。
これは、少し訂正します。
50万部を超えるベストセラーのビジネス書と1万数千部の地味な
ビジネス書を合わせ、ビジネス書全体の読者を見れば、それはやっ
ぱり40歳代〜50歳代が正規分布の頂点だろうと思います。これ
は20年前から変わらぬ「体感年齢」です。
しかし、ベストセラーにのみ注目すれば、ビジネス書も「山を動か
す」年代は50歳代ではない。20歳前後ではちょっとリアリティ
がないにせよ20歳代、あるいは最大30歳前後が核となるでしょ
う。
前回も紹介した昨年のビジネス書ベストセラーを見ると、単行本の
1位〜3位が、『鏡の法則』(野口嘉則 総合法令)、『なぜ社長
のベンツは4ドアなのか』(小堺桂悦郎 フォレスト出版)、『千
円札は拾うな』(安田佳生 サンマーク出版)。まあ、1位にちょ
っぴりスピリッチュアルテイストがあるにせよ、要するに処世術、
社会で成功するためのテクニックを匂わせたものばかり。ビジネス
書なんだから当然といえば当然ですけど、もうすぐ引退する人のイ
メージではありません。
新書を見ても『若者はなぜ3年で辞めるのか』(城 繁幸 光文社
新書)、『格差社会』(橋木俊詔 岩波新書)と、やはり20歳代
をイメージしている本ばかり。
では、総合ベストセラーはどうなんでしょうか。
1位 『国家の品格』(藤原正彦 新潮社新書)
2位 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(J.K.ローリング・
松岡佑子訳 静山社)
3位 『東京タワー』(リリー・フランキー 扶桑社)
4位 『えんぴつで奥の細道』(大迫閑歩 書・伊藤 洋 監修 ポプ
ラ社)
5位 『病気にならない生き方』(新谷弘実 サンマーク出版)
6位 『おいでよ どうぶつの森 かんぺきガイドブック』(ファ
ミ通書籍編集部 エンターブレイン)
7位 『人は見た目が9割』(竹内一郎 新潮社新書)
8位 『新・人間革命(15)(16)』(池田大作 聖教新聞社)
9位 『子育てハッピーアドバイス(1)(2)(3)』(明橋大二
1万年堂出版)
10位 『鏡の法則』(野口嘉則 総合法令出版)
11位 『おいでよ どうぶつの森』(NintendoDREAM
編集部 編 毎日コミュニケーションズ)
12位 『ポケットモンスターダイヤモンド ポケットモンスターパ
ール シナリオクリアBOOK』(NintendoDR
EAM編集部 編 毎日コミュニケーションズ)
13位 『陰日向に咲く』(劇団ひとり 幻冬舎)
14位 『恋空 切ナイ恋物語 (上) (下)』(美嘉 スターツ出版)
15位 『生協の白石さん』(白石昌則・東京農工大学の学生の皆
さん 講談社)
16位 『超バカの壁』(養老孟司 新潮社新書)
17位 『美しい国へ』(安倍晋三 文藝春秋)
18位 『ファイナルファンタジー12 ファーストフライトガイ
ド』(Vジャンプ編集部編 集英社)
19位 『容疑者Xの献身』(東野圭吾 文藝春秋)
20位 『食品の裏側』(安部 司 東洋経済新報社)
〈06年総合ベストセラー トーハン調べ〉
明らかに20歳代と50歳代に二極化してますね。
新たに50歳代という核が登場しています。高齢化社会は、やはり読
書人口にも顕われています。
『鉛筆で奥の細道』や『大人の塗り絵』からは、20歳前後をイメー
ジすることはできません。それでも実際には、20歳代の読者もいる
のでしょう。『ハリー・ポッター』に耽溺している50歳代というの
も、なかなか想像し難いものです。多分、それも実在するでしょう
けど。
『東京タワー』は両極が存在しうる作品ですが、作家の傾向からい
ってリードしたのは20歳代でしょう。
栄えある第1位『国家の品格』は、一見中高年をイメージさせます
が、これこそは20歳前後が核となって山を動かした本だと思います。
20歳前後がこういう本を読むのが昨年の日本だったわけです。だか
ら歴代の中で最も若い安倍首相が誕生したのでしょう。
昨年の総合ベストセラーを見る限り、いま、ベストセラーのキーは
20歳代と50歳代が握っているようです。
■ビジネス書のキーを握る読者層は
ですが、ビジネス書のベストセラーを見ると50歳代をイメージさ
せる本はないですね。どうもビジネス書のベストセラーの核読者は
50歳代ではありません。平均読者は50歳代なのに、ベストセラ
ーの核は50歳ではないというのはややこしい現象です。
なにしろビジネス書の主たるテーマは「いろんな意味の意勝ち組に
なるための本」ですから、「奥の細道」や「塗り絵」の読者が手に
取るはずもありません。
ビジネス書で年間のベスト10に残るような大ヒットをねらうなら、
やはり20歳代をイメージした本づくりを心がけるべきなんでしょ
う。ビジネス書のテーマなんて、新しいものはほとんどないのです
から、20歳代をイメージするということは、文体や造本などの表
現方法に斬新さを求めることになります。
とりあえず、いま手元にあるテーマを20歳前後の感覚で見直して
みてみましょう。20歳前後の若者も理解できる本であれば、例え
『養老年金保険』の本だって全ての世代に受け入れられるでしょう。
では、また来週。
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《編集後記》
ニッチな固定ファンの皆様に支えられて、無事に100号を迎えるこ
とができました!継続していくことが、読者の皆様へのヒントにな
ることを願っています。本年も引き続きご愛読のほどよろしくお願
い申し上げます(発行者:樋笠)
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