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コンサル出版フォーラム〜本はあなたをメジャーにする!

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コンサル出版フォーラム〜本はあなたをメジャーにする!
第169号【10/03/30】

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《今週のCONTENTS》

1.『電子書籍と出版界』

2.本多泰輔の電子書籍 リリースのお知らせ!

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4.編集後記

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おはようございます。
本多泰輔です。

米国アマゾンの「キンドル」に触発されたのか、既存出版物の売れ
行きが悪いからなのか、昨年末あたりからいろいろなところが電子
書籍に手をつけ始めました。

今年から日経新聞の電子版もスタートします。「Booker's」」は書
店組合が運営する電子書籍サイトですから、いまや版元も書店も電
子書籍を無視できない、そんな状況になっています。

とはいうものの、まだ、各社とも本格的な動きというまでには至ら
ず、とりあえず様子をうかがう、いわば「威力偵察」という段階。

それでもケータイ小説とコミックのトライアル電子版しかなかった
2〜3年前に較べれば、ずいぶん多方面に拡大されています。

トレンドとしては、電子書籍の流れがこの先どんどん大きくなって
いくのは、ほぼ間違いない。音楽媒体がレコード、CD、ネット配
信へと変遷していった軌跡をそのままトレースしていくことになる
のではないかと思います。

電子書籍自体は、90年代から存在していたメディアで、当時はシ
ステム手帳より一回りくらい大きいサイズの専用リーダーに適宜イ
ンストールしていく形だったと思います。当然インターネットには
つながりません。そもそもまだインターネットがなかった時代です。
「ザウルス」もまだ発売されていなかったような気がします。

紙のメディア絶滅論はそのころからありました。しかし、当時の電
子書籍のリーダーを見て多くの業界人は、「これなら紙媒体はまだ
まだ安泰だな。やれ安心安心」と思っていました。

実際、95年にビル・ゲイツが日本に来たときの講演でも、新聞を
紙と同じ程度の視認性、見やすさで読もうとすれば、表示するには
黒板の5倍くらいの大きさのディスプレーが必要と言ってました。

ちなみにそのときの主催者は日本経済新聞だったので、本音では黒
板くらいのディスプレーサイズでOKと思ってたのかもしれません
が、とにかくとても手元で見られるような状態でなかったわけです。

そのときの印象に較べると、「ipad」で見た電子書籍の見やす
さは、心底「こりゃやばい。もう紙はだめだな」と思いました。


■電子書籍で変わる出版業界

紙媒体の本が電子書籍より優位だったのは、見やすさと持ち運びの
利便性、ところがそのふたつで追いつかれ、コストと情報量ではと
っくの昔に圧倒的差がついているわけですから、どう見ても勝ち目
なし。

かろうじて若干の優位を保っている読みやすさは、リーダーの技術
革新が今後も続く中でいつか必ず追い抜かれるでしょう。著作権が
時効になっている名作群は、「青空文庫」のように自然と電子書籍
が主流になっていくものと思われます。

そもそもパブリッシングとは「公衆化」なわけです。

グーテンベルグ以来、紙媒体による出版という方法が最もリーズナ
ブルな公衆化の手段だった時代が続いてきたが、ついに電子メディ
アがそれに取って代わる手段になったということですね。

つまりパブリッシングの目的は変わらないが手段が変わる。

いまがちょうどその端境期、というよりは電子化の方向に深く踏み
込んだ状態なのかもしれません。もはや重心は大きく電子化に傾い
てしまった。

「コンクリートから人へ」じゃないですが、「紙から電子へ」具体
的な行動でいえば本を買うとき「書店からネットへ」へと変わるこ
とになる。

出版の電子化によって、最も影響を受けるのが流通面であろうこと
は火を見るよりも明らかです。書店組合がいち早く電子書籍サイト
「Booker's」に取り組んだのはその危機感の現われだと思います。
どこがどう変わるのか、ちょっとだけシュミレートしてみましょう。


■電子化の影響が少ない著者

まず著者の位置づけ、これは変わりありません。電子化によって仕
事が減るかどうか本人次第、全体的には著者の数がかなり増えるこ
とが考えられますが、流行作家の数は現在とそう変わらないと思い
ます。

数が増えても頂点の数が変わらない、分母が増えて分子が変わらな
ければ、トップランクの著者とそれ以下の人の格差はさらに大きく
なりますね。

出版社は書店で本を売ることがなくなりますから、印刷製本の工程
管理がなくなる。そこで若干名の人間が減ることになります。

また、実物を流通させる必要がなくなるので、取次ぎへの営業と書
店営業もなくなります。その代わりネット書店のサイト運営会社へ
の営業の必要が生じますから、ここでは大きく減員することはない
でしょう。

全国に支社営業所を展開しているところは別ですが、出版社で全国
的に支社を構えているのは、多くは教科書教材販売会社ですので、
こちらは媒体が変わっても相手が変わるわけではないのであまり影
響ないでしょう。

出版社自体はいまでも社内でやっているのはDTPどまりですから、
販売先が変わる以外は仕事自体は大きく変わらないように見えます。

さて、書店、取次ぎはどう変わるでしょうか。

まず業態としては縮小を余儀なくされる。すくなくとも全国にチェ
ーン展開する必要がないので、店舗は激減していくと思われます。

店舗が少なくなると、書店で本を買うことができなくなりますから、
リアル書籍の愛好者もネット利用へと流れ、電子書籍の読者は加速
度的に拡大していくことになります。

書店、取次ぎは消滅してしまうのでしょうか。

あるいは、電子書籍化によって乱立する書籍のなかから品質のよい
ものを選ぶ、本のコンシェルジェ的なポジションを得て、電子化の
中でも独自の位置を獲得していくのでしょうか。できれば後者のポ
ジションでやっていってほしいと願って止みません。


■電子書籍のテーマ

印刷・製本業界についても言及しなければいけないのですが、彼ら
は出版印刷だけをやっているのでありませんので、わたくしごとき
では知識不足。どういう方向に向うのか推測し切れません。

すべての紙媒体、チラシ・パンフレット類、パッケージ類が消えて
なくなるとも思えませんし、リテールでは商業印刷物は残るでしょ
う。たぶん自費出版も残ると思います。一方、全体として紙の印刷
が減るのは必至。

そういうわけで、さっぱりわからないのでギブアップ。

先日、ある電子書店に話を聞きにうかがいました。電子書店でも珍
しい「新刊の電子書籍」を販売している「でじたる書房」というと
ころです。

現在、多くの電子書籍は既刊本の電子化であって、まだ新刊電子書
籍を販売しているサイトはこの「でじたる書房」くらいしか見当た
りません。そこでお話を聞いてみようと思ったわけです。

「でじたる書房」は書店であって出版社でもあるという形態で、そ
れは昭和初期までの出版黎明期の姿、東京堂書店や岩波書店の初期
を思わせるものだったという点が印象的でした。まさに電子書籍の
黎明期の会社です。

ここでなにが売れているのかお聞きしたところ、意外な答えが返っ
てきました。

こちらはてっきりエロ系か写真集か、ケータイ小説のようなのが売
れていると思っていたのですが、あにはからんや自己啓発本が売れ
ていると。既存書店の売れ筋と変わりがありません。

書店で売れているものは、電子書籍でも売れるという現象です。た
だ、電子書籍の実売部数は非常に小さいので、これをそのまま一般
論にすることはできません。でも、まあ面白い現象ではありました。

敷衍していけば、書籍が電子化されても結局テーマ自体は変わらな
い。当然といえば当然ですが。


■電子書籍か既存書籍か

いまのところ、既存の書店流通の出版物が電子書籍に対し明らかに
勝っているのは、権威とか信頼性とかいうイメージです。おそらく
電子書籍を出しましたと言っても、既存の書籍と同等の効果は得ら
れないでしょう。要するに著者に箔がつかない。

書物の持つ千年の歴史、過去百年の出版界と著者たちの実績、これ
らを背景に已然「活字のマジック」は生きております。

ですから、ブランディング戦略に実物の書籍が有利なのは、当分は
続くであろうと思います。印税率は圧倒的に電子媒体のほうがよい
ようですが、書物の威力は日本人のDNAに深く刻み込まれている
みたいです。

そういう意味では、自費出版の世界では、まだまだ印刷製本を必要
とする状況が続くのだと思いますし、触感や重量感を必要とするリ
アルの出版物は、しばらくは残っていく余地を確保し続けるのかも
しれません。

風前の灯感は否めませんが。

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《編集後記》
3月も終わりですね。私は先週、近所の公園で保育園の娘・友達・
親御さんと一緒に花見をしました。桜はけっこう綺麗に咲いていま
したが、寒風がピューピュー吹いて、寒かったこと!焼酎のお湯割
りを飲みながら大人たちがブルブルふるえる横で、子供らは靴下を
脱ぎ裸足で走り回っていました・・・(発行者:樋笠)

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発行:《株式会社コンサルジェント》http://www.consulgent.co.jp

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