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コンサル出版フォーラム〜本はあなたをメジャーにする!

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コンサル出版フォーラム〜本はあなたをメジャーにする!
第175号【10/08/09】

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《今週のCONTENTS》

1.『電子書籍とブランディング その2』

2.おすすめ講座【経営コンサルタント独立開業講座】10月期

3.編集後記

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残暑お見舞い申し上げます。
本多泰輔です。

暑いのは夏だから当たり前、と強がってみせるには、ちと暑すぎる
今年の夏です。まあ、暑い暑いと言ってるだけなら、どうってこと
もないのですが、ロシアの小麦が旱魃で不作とかいう話になるとこ
とは深刻です。

世界の供給の11%を占めるロシアの小麦が輸出ストップだと、ひ
ょっとするとアメリカは小麦で復活すんじゃなかろかという気がし
ます。秋の訪れとともに円安かも。

暑いときは涼しいところへ、というノリで長野県の軽井沢へ行って
ましたが、温度計を見ると昼間は都内とあんまり変わんないですね。
気分は涼しいような気がするんですが。今回、行ってみてわかった
ことは、新幹線だと1時間ほどで東京駅まで着けるので、軽井沢から
の通勤は不可能ではないということでした。出版社が東京にある以
上、東京へ出ないわけにはいかないわけですが、軽井沢から出かけ
るのも横浜あたりから出てくるのも大して変わりありません。
お金があったら通勤したいところです。

さて、前回に続きまた電子書籍ネタです。
もう何回目でしょうか。ほかにないのか、とお思いでしょうが、ま、
夏ですから、と意味不明なことをつぶやきつつ本題へまいります。

■電子書籍の現在地

ダイヤモンド社の「もしドラ」の電子書籍は3万部だそうです。
電子書籍で3万というのは破格の数字なのですが、リアル書店で100
万部ですから、そんなものかというのが世間の評価です。それが電
子書籍の現状でしょう。

電子書籍の現状というのは
1.紙で売れていないものは電子書籍にしても売れない
2.紙で売れているものでも電子書籍はその3%
3.電子書籍のみのセールスはほとんどない

アメリカのデータでも全米の電子書籍の平均販売部数は60部程度と
いわれます。60部!です。ミリオンでもハンドレッドでもなく、た
だの60部。キンドルがあっても、ipadがあっても60部。

拙著電子書籍『本気で出版しようと思ったら読む 出版社の本音と
攻略法がわかる本』など、アメリカの平均に較べればけっこうまし
なほうじゃんと、思わず意を強くしてしまいました。

その本多の電子書籍

書籍『本気で出版したい!と思ったら読む 出版社の本音と攻略法
がわかる本』
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絶賛!売れ残り中

さて、見え透いたPRと低レベルの比較はともかくとして、ブランデ
ィング戦略として出版を考えるかたにとって、電子書籍はいかなる
世界を提供してくれるのか。

データを見る限り、いまのところ電子書籍は紙媒体と勝負になりま
せん。これが電子書籍の現在地です。では将来はどうなるのでしょ
うか。

前回も記しましたとおり、出版は書店という既存のステージがある
から著者のブランディングが成立するのであって、それは物理的な
制約の賜物に他なりません。書店のスペースに限りがある以上、著
者エントリーの数にも制限がある。そしてエントリーの資格審査を
出版社が行っているという構図です。

既存のステージの勢いが鈍くなるにしたがい、そのステイタスにも
翳りがさす。電子書籍が既存の出版界を侵食することによって、既
存のステージはその地位を後退させることになります。では、それ
にかわって新たなステージが登場することになるのか、というのが
今回のテーマです。

■電子書籍は著者ブランドの崩壊か、新たなステージか

電子書籍はカンタンにいうと、だれでも著者になれるシステムです
から、従来のような著者であるということが、即ブランドとなるか
となるとちょっと覚束ないところです。

ですから、だれでもエントリーできるノーブランド著者のステージ
から、ブランド著者へ選抜されるシステム、つまりエントリーフリ
ーのステージの上にプレミアムステージをつくることが、ブランド
の効果を発揮させるために必要となります。

電子書籍の世界で、著者であることを一定のブランド効果として発
揮させるとしたら、次のようなステージの構造になるだろうと思い
ます。構造は三つのステージで組み立てられます。

1.<裾野構造>オープンステージ
だれでもいつでもエントリーできるステージです。いわばストリー
トミュージシャンのように、自分で自分の本を路上で売るに近い状
態です。昔、新宿の路上で自作の詩集を売ってる人がいましたが、
基本的にはあれと同じで、やる気になればだれでもできます。そう
お金もかかりません。課金システムさえしっかりしたところと契約
しておけば、一応電子書籍として世に出すことができます。

2.<上位構造>プレミアムステージ
おそらく出版社・書店、すなわち既存出版界は、ここの主となるこ
とをねらっているはずです。読者というのは常に初心者ですから、
なにを選ぶか選択の技術を持っていません。その結果、行動となっ
て現れるのは、安心できるところで選べばよかろうと、名の通った
ところから購入することになります。このような購買行動をとる読
者は少なくないはずです。プレミアムステージでは、出版社の信頼
性が高ければ高いほど、電子書籍の著者ブランドは大きく発揮され
ることになります。

3.<頂上構造>オーバーザトップステージ
有名著者、流行作家のポジションです。
発信者として非常に影響力のある人たちで、紙でもベストセラー作
家、電子書籍でも圧倒的に多くの読者を確保している人たちですか
ら、全てのステージの頂上に君臨するでしょう。ただし、入れ替わ
りは激しく、個々の寿命はそんなに長くはないと思います。

■裾野があっての上位構造

要するにアマチュアとプロの構造で、アマチュアの裾野が広いほど、
トップのブランドは高くなるという構造です。現在のところ、裾野
構造の上にプレミアムステージをつくろうと、既存出版界があれこ
れ策動している最中ですが、裾野ができてないうちに上部構造は建
たないだろうと思いますので、思惑が実現するまでにはもうしばら
く時間が必要でしょう。

裾野構造は、将来、検索システムが向上すれば、名もない作品にも
陽の当たるチャンスは訪れるでしょう。なかにはベストセラーに駆
け上がる注目作品も出てくるはずです。それは間違いない。たとえ
ばケータイ小説という分野も裾野構造ですし『電車男』もそうです
ね。ですから、すでに裾野の一部は出来上がりつつあるといえます。

しかし、このステージはいつでもだれでもエントリー可能な夏祭り
の素人のど自慢大会のようなものですから、エントリー自体にブラ
ンド価値はありません。電子書籍の99%は、このステージにとど
まるのではないかと思います。

上位構造は、既存出版界の版元でも書店でも、資本があれば形を作
ることはできるでしょう。実際、現在構築中でもありますし。コン
テンツも数多く確保しているわけですから、読者を吸引する方法は
いくらでもありますし、紙と電子とのバランスを見ながら軸足を調
整していけば、経営的にも大きなリスクを背負わなくてすむかも知
れません。

このステージはエントリーフリーではありません。資格審査をとも
ないます。したがって著者であるというブランディング効果は有効
です。既存の出版と同様に出版社がエントリーの資格審査権を持ち
ますので、出版社に認められた著者ということで、ブランドは価値
を発揮します。ただし、上位構造は基盤が脆い点があります。

多くの読者は出版社で本を選んでいませんから、検索システムの機
能と読者の検索能力が上がれば、あえてこのステージから本を選ぶ
必要はなくなります。たとえばちょっと変わった恋愛小説が読みた
いと思ったとき、「純愛」で「不倫」というやや支離滅裂なキーワ
ードを打ち込んで、これにパーシャルに対応する検索システムから
渡辺淳一の本がずらずら出てくる。そのように読み手が検索に慣れ、
システムも読み手の動きに合わせて機能するようになっても、依然
としてこのステージが存在意義を持つのか、それは疑問です。

裾野が膨大になったとき、プレミアムステージもそれに飲み込まれ
てしまう恐れがあります。

■ブランドはイコール実売ではない

頂上構造はいわずもがなで、その時々の勝ち組著者のポジションで
すから、たとえオープンステージから駆け上がってこようが、プレ
ミアムステージからステップアップしてこようが、売れてる著者に
だれも文句のつけようがありません。

唯一の懸念は、その入り口は狭く、滞在時間にも限りがあるという
ことくらいでしょう。

電子書籍も読者を獲得する、売れることを目指すならば、その勝者
が頂上構造やプレミアムステージから出てくるとは限らず、オープ
ンステージから出てくることも十分考えられます。むしろ数からい
って圧倒的多数のオープンステージから出てくる確率のほうが高い。

そうするとプレミアムステージは、常にオープンステージから駆け
上がってくる新人著者を吸収するシステムを持っていないと、取り
残され、下位に転落の危機さえ生じます。

新人著者を吸収するシステムとは、要するに資本力以外ありません。
よりよい条件で作家を確保する以外に決め手はない。いつの時代も
一緒です。

一方、プレミアムステージが確立されれば、そこでは著者のブラン
ドは確保されることになりますので、たとえば、どうしてもプレミ
アムステージに出品したいという人は、出品料を支払って電子書籍
を出すということも起きるでしょう。バナー広告費のようなもので
す。新人の確保のためには資金が必要ですから、出品料付きの電子
書籍も増えるかもしれません。なんだか出版社というより、デパー
トみたいなことになってきそうです。

電子書籍のプレミアムステージが、近い将来誕生することはほぼ間
違いないと思いますが、短命に終るか、ひとつのポジションを獲得
するかはわかりません。ただ、プレミアムステージができなければ、
既存の出版界がポケベルと同じような運命を辿ることになる懸念は
大いにあります。

なにかすこし寒くなってきたので、今回はこのへんで。

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《編集後記》
世間はすっかり夏休みモードでしょうか。東京は雨の月曜日、街も
なんとなく静かな感じがします。こんな時はじっくり仕事の整理を
したり、静かに次の準備をするのに最適かもしれませんね。出版を
目指している方は、この機会に出版企画書を仕上げてみてはいかが
でしょうか。本多氏の「電子書籍」が参考になると思いますよ。
(発行者:樋笠)


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